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「映画・楽しき人生」現場紀行

楽しき人生、
の撮影現場の様子がちょこっと伝わります。

翻訳は雑です。。。






[イ・ソンウクの現場紀行]
イ・ジュンイクの音楽3部作、2部はこんなふうにスタートした


2007-05-10


<楽しき人生>
フリープロダクションから撮影現場まで

ターゲット:
イ・ジュンイク監督の新作<楽しき人生>

取材期間:
3月6日~4月18日

現場:
東国大学校
映画会社「아침」監督部屋、
忠武路、
狎鴎亭ヘアショップ、
新沙洞、
ソウル現像センター、
弘大ブラウンサウンドスタジオ、
アンサン実用音楽学院 etc

取材中に会った人々:
イ・ジュンイク監督、
チョン・ジニョン、
キム・ユンソク、
キム・サンホ、
チャン・グンソク、
コ・アソン、
キノポストのキム・ボンス代表、
映画会社「아침」チョンスンヒェ代表、
音楽監督イ・ビョンフン・パン・ジュンソク etc


子は母に似るはずだ。
映画が、その監督にそっくりなのは、
イ・ジュンイク監督だけだろうか。

<王の男>での、
ジャンセン(カムウソン)の最後のセリフは
この監督にふさわしい酒の席で聞く幻聴のごとくだった。

“징한 놈의 이 세상, 한판 신나게 놀고 가면 그뿐.”
(くだらない奴どものこの世、
 ひと勝負、おもしろく遊んでいく それのみ。)
(腐った世の中、
 逝く前に、最後までひととき、楽しく遊んでいこう)

ある時など、
その語り口まで似ていた。

“광대가 천출이면 어떻고, 정승이면 뭐할 거야.
 배부르게 먹으면 그만이지. 배고파 디지는 줄 알았네.”

(道化だろうが大臣だろうが、たらふく食えりゃいい。
 飢え死にする寸前だった)


「王の男」該当セリフシーン


<황산벌>에서 처자식부터 죽이고 전장에 나가겠다는 계백(박중훈)의 결기를 향해 아내(김선아)가 비수처럼 찌르던 말의 본새도 그의 입과 머리를 닮았다. “아가리 삐뚤어졌어도 말은 똑바로 하라고. 호랑이는 가죽 땜시 디지고, 인간은 이름 땜시 디지는 거여. 인간아.”


<ファンサンボル>で
妻子から殺して、戦場に出て行くという
ケベク(パク・チュンフン)の決起に向かって、
妻(キム・ソナ)が


彼には、体面(体裁)がない。
"名前"という見せかけ(虚飾)を取り除き、
たのしく遊んでみようじゃないか、
놀아보자는데 가오가 있겠나

彼の映画にも、体面がない。
<王の男>後につづく映画だったといっても、
<ラジオ スター>にはしつこい脂っぽさがない。
ヒューマニストのニ丁拳銃で
ヒューマニズム的똥침을 술술 쏘아댔다








*****



去る2月初めに、
非常に強いメロドラマ<魅惑>の製作が保留された日、
イ·ジュンイク監督の家に
ジョンスンヒェ映画会社朝代表、
ジョチョルヒョン・イーグルピクチャーズ代表など
"イ·ジュンイク3人衆"とチェソクファン作家が集まった。

「代わりに何を撮るのか、
 作成することまで家でない私が」という雰囲気。

この監督は
映画<フルモンティ>と
<コヨーテ·アグリー>を混ぜた話を思い出した。

「サメの上半身と
 馬の下半身をくっつけた、と思ってくださいwww
 私はこういうのががうまいんです。
 シュルレアリスムのようなんだ。
 現実にあるものを組換えて、新しいイメージを作り出す。
 マグリットの画像だって、
 それぞれのオブジェクトは、
 日常に散らばっているリアリティじゃないか。
 それだからこそ変なんだ 」

サメの上半身が<フルモンティ>での
素っ裸で、生活に疲れた、だるさならば、
言葉の下半身は<コヨーテ·アグリー >の成功ストーリーだ。

"分別がないおじさんたちの愉快なロックバンドの物語"が
3日かかって、シナリオとして誕生した。

キャスティングを完了してクランクインの日付まで、1ヶ月。

長く切ることなく、最初のテイク、
あるいは2番目のテイクで
あっさりOKを叫ぶ監督の撮影現場ににつかわしい超スピードだ。

80年代初頭、バンドを結成して、
情熱いっぱいに走ったものの、
大学歌謡祭本戦にも出られず、バラバラになって解散し、
いつしか中年の家長になった3人の男、
ギヨン(チョン·ジニョン)、ソンウク(キム·ユンソク)、ヒョクス(キム·サンホ)。

昔のメンバーのひとりだったサンウが
あっけなく死んでしまうと、
それ以上の喪失感に葛藤していた三人の男が
再びバンドを結成して、人生のスタイルを反転し始める。

日の目をみることのなかった自作曲
「爆発するぜ!」をとりだして、、、

〈途中省略・・・翻訳挫折〉


3月7日午後。
忠武路のオフィス。


「これだけみんなそろったのは初めてですか?
 リーディングはおおまかにするほうがいいと思います。
 感情も入れるとしても、70%程度で。

 僕は、ただシナリオにそのまま従っていくだけでは、
 映画は死んでしまうと考えてます。
 演技者も同様です。

 シナリオで遊ばなければならない。
 そのあと、1シーンが終わるごとに、
 自分の意見を遠慮なく言っていただきたい。

 シナリオ作家がここにいるからこそ、
 あの、、こんなセリフはどうでしょうか?
 というような抗議を歓迎します」
(イジュンイク監督)


シーン1が終わると、
監督から、身軽な一言がつづく。

「最初のシーンは他とちがって、
 スピーディーに行くつもりです」

シーン2のつなぎめも、監督がひきうけた。

「 安山にハンティングした場所で撮るんだけど、
 大きく重要なシーンではないようだし」

シーン5で、監督の口調が重くなる。

「シーン5まできて、
 40代の、これといって生き甲斐のない精神性が、
 ギヨンのキャラクターを通じて、表現されます。
 現代人の反映、というか。
 それが、この後、
 バンド活動にまで突っ走る情熱につながっていくので、、、」

シーン6で、
死んだサンウの息子ヒョンジュン(チャン·グンソク)が登場する。

監督が俳優のセリフ処理に対して、
初めて異議をとなえたのが、このときだ。

「ヒョンジュンは、もっと乾ききっている。
 他の人間の感情があがってきた分、
 彼らとは対照的な存在でなければならない」


シーン7・8・9で、
注文はもっと細かく洗練されていく。

「シーン7・8・9は、
 小さいシークエンスを重ねて、落差を大きくしていきたい。
 
 シーン7で、ギヨン、ソンウク、ヒョクスが感情を込めて、
 シーン8で時間が経って日常に戻らなければ、となり、
 シーン9でヒョンジュンが、
 これと反対の感情のトーンをのせていく。
 非常にクールに。
 まるで他人事のように。
 あるいはチンピラのように。
 観客が "あれがサンウの息子なの?"という感じを受けるほどに


このころになって、
衣装チームが当惑した感じが大きく広がる。

とにかく、
もう一つの衣装交換の後、

「もうちょっとちがうほうがいい」
という監督の言葉がでる。

「それでは、選択の幅がなくなる」
という衣装チーム長の小さな抗弁が続く。

最初の峠を越すと、
比較的順調にOKサインがでる。

3時間後、
弘大のクラブ公演での撮影シーンに至って、
俳優たちの変身が確実になると、
監督が子供のように楽しそうにしている。

「完全に青春にもどってる。
 (チョン·ジニョンを見ながら)
 口腔構造や髪型がまさしく、ミックジャガーだ。
 こんなに変身したのはじめてでしょう?
  <黄山ヶ原>とも、<王の男>とも違って、
 今回はまた全然ちがう。
 キム·ユンソクも、また変身してるじゃない? 」


4時間後、
ラストシーンを飾る公演の衣装を着て現れると、
監督の感嘆詞がまた出た。

「こいつ、今度は、プリンスだね。
 その目のアイラインを見てよ!」

ブラックとレッドで
強いコントラストを与えたロッカーのイメージが強烈だ。
ところが、監督が議論をしようとする。

「想像していたものと違って、
 直接見る映画の完結性のために
 いっそ、普段着のほうがいいかもしれない。
 
 この人たち、、、
 あんなふうに無限にどこに行くのろうか、

 という感じを与えるには、
 洗練された感じの普段着で行くのはどうかな。
 どう思う?」

俳優たちの支持が続き、
監督が当初衣装チームと合意した
最後の舞台公演のコンセプトをひっくり覆す。



「じゃあ決定!これは一度キャンセル。
 ヒョンジュンは今のままで行ってみるってことで」



2番目の反転の犠牲者は
チャン·グンソクの髪だった。

長く垂らした髪が
ロッカーのトレードマークではあるが、
監督はあまりにも美少年になりすぎる、と、とらえた。

「可愛すぎ。
 最初から頭をばっさりと切ってしまえばどうだろうか」


チャン·グンソクが、
髪をしばりあげて、きつく見上げる。

「ずっといい。
 男らしくて。
 刈り上げてみよう。
 帽子を使うかどうかはその次に見てみよう」

あっという間に、
大切にのばした髪とサヨナラした若い俳優の心情は、
いかほどだったろうか?

(しかし、
 これがすばらしい選択だったことは、
 撮影現場で証明される)



同日午後8時、
新沙洞ソウル現像所。


1週間ぶりに会った
イ·ジュンイク監督はどこか憔悴して見えた。

彼の体はミニミ総合病棟だった。
首の後ろを悪くし、
家の庭工事現場で足首を捻挫し、
朝には病院で(ストレス性)胃炎の診断を受けた。

「昔は張り詰めた緊張感とストレスに勝ち抜いたが、
 最近は、昔と同じように回復するのは、難しい。
 ストレスから解放されず、
 互角に生きてきたのが10年にわたりもう限界かな」

撮影するときには、
楽しく遊ぶだろう、
というが、本当にそうだろうか。


「ラストが悩みだ。
 ラストに到達する映画的傍点がまだ決まってない。
 初·中盤までは鮮明に見えているね。
 そして、心理的、物理的な不安定性がストレスだ。
 もちろん、ハンティングをすべて行っているが、
 現場で撮影に入ったときに対処すべき変数だから、
 コンテの問題のようなものだね」


フィルムのテストのために店に到着すると、
再び目を輝かせて講義モードに変わる。

<楽しき人生>はコダックではなく、
フジフィルムを選んだ。

「過去10年間の数値を見ると、
 フジのシェアが10%程度だ。
 現像所が持っているデータが相対的に少ないだろうし、
 その一方で、コダックは寛容度が広いからたっぷり使うんだ。
 コダックは、暖かい感じの色味で選択の幅が豊富。
 フジはブルートーンが強い繊細さがあり。
 相対的に非常に小さな差なのにね..」


講義が途切れた。

ヘア·衣装テストが遅くなり、
長く待った撮影スタッフ、照明スタッフが目に入ったのだ。

すぐにフィルムのテストが開始された。
漢江沿い、明洞夜の街、昼路地、室内セット、建物内部など、
様々な場所で様々な照明で、
様々なフィルタを使って撮影した場面がプロジェクターにあふれ出た。

「コダックとフジの違いは、
 実際には無意味。
 劇場のスクリーンに挟まったほこり一つだけでも、
 その違いをすべて把握し食べるから。
 フジがちょっと安い、という利点があります... 」




*****


3月16日夕方。
弘大ブラウンサウンドスタジオ。

うっかりしていた。

これはロックが主人公の音楽映画はなかったか。

<爆発するぜ>が
80年代のロックスタイルのバージョン1から、
ハードロックのバージョン2に、
再びパンクロックのバージョン3に変身するたびに、
強烈なビートが胸に食い込む。

一段ずつ水位を高め、
ドラマに火をつけてきた
<王の男>の道化者の芝居が、今回はロックだ。

3つのバージョンの
<爆発するぜ>を含めて、7曲を演奏する、
ヒョクスのドラムが、
ソンウクのベースが、
ギヨンのリードギターが洗練されてくればくるほど、

第2のコンギル
(王の男のイ・ジュンギの役名)誕生を予感させている
チャングンソク演じる、ヒョンジ​​ュンが、
そのきれいな顔に似合わず、
タフなボーカルを全面にうちだした収録を目の当たりにし、

漠然と感じていたことが、
並々ならぬ確信に変わっていった。


クランクインまで1週間も残されていないこの日、
最後の "中間評価"が行われた。

俳優たちが
磨き上げた合奏を順番におこない、

その演奏を、
映画にどれだけ、
そしてどのように活用できるか、判断する場だ。

バンド・ラスティーズのメンバーたちが、
2月初めから映画の中のバンド
"活火山" の音楽監督として活躍していた。

ラスティーズの
ギターとボーカルを担当するイ·ホジュン代表は
俳優たちのプロらしさが良い、と良い話ばかりをする。

「朝10時から午後8時まで食事も喉を通らずに、
 練習しながら、
 プロらしく困難をうまく切り抜けてきた。

 彼らを見て、私はたくさん学んだ。

 普通ならば、
 今のあのレベルまで演奏することはできない。
 
 合奏が可能になった、
 ということからして驚くべきことだが、
 特にドラムが最もハードにこなした。
 ドラムスティックを4~5本折ってしまったほどだ」


「映画・楽しき人生」現場紀行_d0266590_11435587.jpg


ドラム(キムサンホ)のビットは、
10日前とは確実に違っていた。

最初の曲<火遊び>の演奏が終わると、
監督とプロデューサーの顔は
"うれしくてたまらない"といった表情に変わっている。

「完全に変わったね。
 ソンホはもうリズムもまちがえない」

イ監督はどれほど楽しいのだろうか。

2番目の曲
<しばらく会えなかったね>のボーカルを直接担当しだしてしまった。

突如、
ヒョンジュン役のチャン・グンソクをぽんとたたくと、

「あとは、
 お前だけうまくなればいい」という言葉を忘れずに。



4月17〜18日。
鞍山の実用音楽学院。
ニューワールドのナイトクラブ。


香港映画祭取材のためにクランクイン現場を逃したが、
バンドの演奏シーンがある日を
わざわざ選んで1泊2日の日程で撮影現場を訪れた。

俳優キム·ユンソクから、
「いや、重要な時はこないで….
 香港に遊びに行ってたんだとか」

と面とむかって皮肉をいわれたものの、
1ヶ月の空白のあとの取材は
、結果的により一層満足なものだった。

イ·ジュンイク監督の顔色は変わっていた。

解けなかったラストの悩みがどうなったのか、
それを尋ねると、

「あれ、
 僕がそんなこといってたっけ?」

と、ニヤッと笑う。

「なにか、ほかに聞くことないの?」

と催促するかのような監督の口ぶりだが、
それ以上に彼の口が開かないところをみると、
なにやら秘密の妙策をその手に握ったのだろう。

苦しんでいた胃炎もうまく治っていた。

ストレスある人生から、
楽しき人生に、

モードが切り替えられたのだろうか。

2日にわたって
"活火山" の3つの演奏を見ていたら、うなずけた。

死んだサンウがバンドの仕事をしていた店で
初のオーディションを受け、恥をかくような演奏をし、
サンウの息子ヒョンジュンが加勢することで
アップグレードした"活火山" として、
再びオーディションを受ける演奏は、

アマチュアの目には十分に映った。

バンドの演奏シーンを、
曲の最初から最後まで
フルショットで撮影したが、

最初のテイクでOKがでた。

ふたつのシーンとも!

ぴたっと髪を刈り上げたチャングンソクは、
まさにイケメンのカリスマロッカーそのものに変身していた。

軽々と飛び出してしまった彼のキャラクター、
ヒョンジュンが残る3人の中年男たちの紆余曲折ドラマを
圧倒してしまうのではないか、、、

それがむしろ心配になった。



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最初のテイクあるいは2番目のテイクで
OKを叫ぶイ·ジュンイク監督のスピード感は不思議だった。

ちょっと離れて香港にいっている間に
すでに40%近く撮影を終えてしまっていた。

ナイトクラブでの2つの演奏シーンに先立ち、
20代のロッカーヒョンジュンが
40代のバンド「活火山」に入って行く事情からみてみた。

ヒョンジュンを前にして
3人の中年の男が楽しく演奏を始める。

それを見るヒョンジュンの顔は無表情だ。

イ監督はヒョンジュンに、

「君が何を考えているのか、
 観客にはわからないようにしなければならない」

そう注文したはずだった。



<楽しき人生>の撮影現場には
重要なOKサインを出す監督があと2人いる。

挿入曲の作曲、編曲から
俳優たちの演奏まで音楽に関する
すべての過程に介入する、
音楽監督のイ・ビョンフン、バンジュンソク。

<ラジオスター>のときは、
バンジュンソク音楽監督一人だけだったが、

音楽の比重を考慮して、
さらにイ・ビョンフン音楽監督を招集したのだ。

みんな、
プロジェクトグループ "桃" のメンバーだ。

イ・ビョンフンが<爆発するぜ>の3つのバージョンを、
バンジュンソクがエンディング曲<楽しき人生>を作った。

チャン・グンソクは、

「パン監督が、
 じきじきに歌った<楽しき人生>を聞いてみましたか?

 完全に U2 そのものです。
 最高です」


パン監督が恥ずかしがるぞ、
と、

キム・ユンソクが
チャン・グンソクの耳もとででささやく。

「90年代に
 ユエンミブルーというグループで
 しばらく活動したことがあるが、
 神話のようなアルバムを残してるのを知らない?」


そのパン・ジュンソク監督も
<楽しき人生>の魅力にひたっていた。

「セリフにこんなのがあるでしょう。
 "世の中にもうちょっと挑んでみるべきだったが、
  あまりに早く挫折してしまった" という。

 暮らしに流され、
 人生というものをある程度わかるようになった時点で
 もういちど、はむかってみよう、という
 ロッカー精神に戻る感じが、僕には強く共感できました」
by aloetree | 2011-07-05 23:24 | 記事/ 映画

JKSさん酔狂。


by aloetree